私の原点・アパートの建築営業
松原清植 クローバー管理
 
この営業は本当に大変でした。
「お宅の土地を有効活用しませんか」なんて訪ねていっても、門前払いが当たり前です。
肝心なことは、いかに人間関係を築けるかです。それも長期にわたって……。

「最近どうですか」といった会話が成立する関係になって、しばらく経った頃に先方から、「実は、うちも土地活用を考えようかと思ってね」そういった感じで、初めて仕事になる世界です。

まして、大学を出たばかりの新人で、しかも不案内な土地での飛び込み営業。土地の人たちと言葉遣いからして違う若造が、相手にしてもらえるわけもありませんでした。

一通りあいさつ回りをして受け入れてもらえると、早く売りたくなって営業の話をしてしまいます。すると、「いらんわ。用がない!」と水をまかれたり、果ては犬に追い回されたり……。

しばらくは、のどかな田舎道を営業車で走っていても、少しも気持ちが安らぎませんでした。
「俺は、いったいどこへ行けばいいんだろう」と、あてもなくさまよう毎日でした。
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ともかく、結果がすべての世界です。
当時の業界では、大東建託、ダイワハウス、積水ハウス、東建コーポレーション、そういう錚々たる企業がライバルでした。限られた土地の所有者に、各社の百戦錬磨のベテラン営業マンが、日々営業を重ねてしのぎを削っているのです。

そんな中、飛び込み以外の情報がない新人の場合、1年目で1棟売れば「よくやった」と言われていました。並みの営業マンだと、常時訪問しているお客様(見込み客)は10人から20人、そのうち、近いうちに契約できそうなお客様は1、2人、最大でも3人ぐらいです。

そして、営業から戻ると、「いつ頃成約できそうか?」「あのお客様はどうなんだ!」と日々聞かれます。しかし、実際の成約のタイミングというのは、お客様の事情や心境しだいなのです。

例えば、お訪ねしていた方のご家族から電話がかかってきて、「相続で、土地を手放そうかと思うんだけど、その前に相談に乗ってもらえる?」なんてことがあります。
何人もいないお客様と長くお付き合いして、いざというときに声をかけてもらえるかどうかが勝負なのです。
だから、お客様にそういう兆しが見られたときには、会社としては「よし、決めて来い!」となります。


あるとき、上司に「売るまで帰ってくるな」と言われた先輩がいて、早朝からお客様のお宅の前に立ち続けたことがありました。

すると数日後、会社に内容証明郵便が送られてきました。
そこには、うちの営業マンのせいで「精神的苦痛を味わった」という、お客様の苦情が書いてありました。


(続)

ーーーゼロからの挑戦(幻冬舎)よりーーーーーー 


「ゼロからの挑戦」(幻冬舎:2017年11月発売)より抜粋

松原 清植(まつばら せいしょく)
(㈱クローバーコミュニティ:共同代表)
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