マンション管理業界の構造ではなく、文化・習慣として染み付いた「保守過ぎる」という課題

マンション管理会社_保守的_体質

これまでは、前ページまでに記したような

「中間マージン・バックマージン」
「親会社志向・二重価格」

といった、マンション管理業界の構造が原因となって続けられている「本質的な課題」を記しました。


ここからは、マンション管理業界で「文化・習慣」として定着してしまった「あまりにも保守的過ぎる」姿勢について、思うところを記します。



我々は20代の時から、理想のマンション管理を求め、この業界で見聞を広めてきました。

深山は中古マンションの売買仲介を通じてマンションを「不動産」の視点で見、管理会社を2社経験し、親が所有する分譲マンションで事務局を、自宅マンションで理事長やオブザーバーを務め、今でもマンション管理のコンサルタントとして管理組合の目線で管理会社と接しています。

松原はデベロッパー(新築マンション販売)の視点で管理会社の対応を見、実際に福岡で管理会社(クローバー管理)を創業し、これまで70件近いリプレースを経験してきました。


その結果、

「世のマンション管理会社は、『受け身で、守りで、動かない企業文化』が根付いてしまっている」

マンション管理会社_保守的_動かない_遅い

という結論に行き着きました。


マンション管理業界は、不動産業界の中で、デベロッパー(開発・分譲) → 設計事務所(設計)→ゼネコン(建設) → 管理会社(保守) という序列です。デベロッパーがマンションを建てて、初めてマンション
管理のビジネスが生まれます。
 
この時点でマンション管理会社の中に「管理の仕事は取りに行くものでなく、親会社からもらうもの」という受け身の姿勢が身についてしまったのかもしれません。刷り込まれている、と言っても良いでしょう。


また、管理会社の売上高はデベロッパーやゼネコンに比べて桁違いに低く、マンション管理という「商品やサービス」が形に残らないこともあり、非常に地味な業界です。

しかし、「地味な業界」と「受け身・守りの業界」とは違います。
「受け身・守り・動かない」ことが、顧客であるマンション管理組合にとって良いことはありません。


マンション管理会社の業務は、管理員の派遣や清掃、設備保守など、マンションの日々を守ることが基本ですが、その基本を出ることなく、常に待ちの状態・守りの姿勢で動かない管理会社が多すぎます。

実際、我々が見てきたほとんどの管理会社には、
残念ながら次のような姿勢が定着してしまっています。

  • 管理組合の運営について、改善・改良に関する積極的な提案が見られない。(理事会から言われなければ動かない。言っても動かない人もいる)
  • 提案があっても、ほとんどがマンション管理業界で一般化された商品やサービスであり、個々のマンションの特性や置かれた状況に関係なく画一的に用意される。(例:管理組合一括加入の専有部サービス)
  • 自社の売上になる(管理委託費とは別途の収入になる)ものだけは管理組合の利益になるかどうかは別として積極的に提案する。(例:修繕・補修工事)
  • 管理委託契約書(業務仕様)に書かれた業務以外の依頼は引き受けない。(別途請求、という概念もない。)
  • 管理組合からの依頼に基づくイレギュラー対応はしたがらない。(特に大手管理会社。管理組合のためになるとわかっていても、均一的なサービスの域を極力出ないことで、合理性・効率性を高めることを第一としている。)
  • 管理組合からの質問に断定的な回答をしない。(言質をとられるのを極端に恐れる。)
  • 総会の場で出席者から理事会へ寄せられた質問や批判に対し、支援者として回答するなど理事会をフォローせず、傍観者となっている。(理事会を守るよりも先に自社の利益やリスクヘッジを優先し、困っている理事会を助けない)
  • 現場のことはフロント担当者や管理員に任せきりで、会社としてマネジメントしていない。

これら、「受け身、守り、動かない」マンション管理会社の文化・習慣は、ビジネスモデルの転換や異業種からの参入など、パラダイムシフトが起こらないかぎり変わらないと考えています。


逆を言えば、我々、クローバーコミュニティは、マンション管理業界が抱え続ける課題を反面教師として、常に反対を進むことを宣言することで、真に顧客の立場に立つ管理会社になることができると考えています。

それはつまり、

  • 管理組合の運営について、改善・改良に関する積極的な提案を行う。
  • 提案は個々のマンションの特性や置かれた状況に即したものを行う。
  • 自社の売上になる提案は、必ず管理組合の利益にもなることを第一として考え、単に受託先への一律提案や中間マージン・バックマージン目的の提案はしない。
  • 管理委託契約書(業務仕様)に書かれた業務以外の依頼も積極的に検討する。(過負荷がかかる場合は適性な別途費用を提案する。)
  • 管理組合のためのイレギュラー対応を厭わず行う。
  • 管理組合からの質問に、十分な勉強の上で断定的な回答を心がける。(プロとしてアドバイスに責任を持つことは当然とする。)
  • 総会の場で出席者から理事会へ寄せられた質問や批判に、理事会を支援・コンサルしてきた者として回答し、理事会を支える。
  • 現場のことは会社として一元管理し、フロント担当者・管理員を孤立させない。
という「文化・習慣」を社内に、スタッフに、定着させることです。

これを設立から一貫して行うことで、「積極的で、攻めの姿勢で、良く動く企業文化」を全体に浸透させ、保守的過ぎるマンション管理業界へ一石を投じたい、そう強く考え、実行して参ります。


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